どうも、とがみんです。
普段何気なく使っている「お金」ですが、どのようにして経済が回っているのかを考えたことはあるでしょうか。
この記事では「国の借金」と「お金の流れ」について、「私が総理大臣ならこうする 日本と世界の新世紀ビジョン」という本を参考につつ、自分で調べ、考えたことを書いていきます。
まずは、この本の著者の簡単な紹介をし、本題に入っていきます。
Contents
読んだ本の著者紹介
この本の著者は、「大西つねき」さんという方です。
1964年生まれで、上智大学外国語学部英語学科に入学し、在学中にシアトル大学に政治力学専攻で留学、帰国後にJ・Pモルガン銀行に入行。
外国為替ディーラーとしてキャリアを積んだ後、米銀のバンカース・トラスト銀行に移籍し、外国為替、株や債券先物のトレーダーとして金融市場にどっぷり浸かる。
2008年のリーマンショックと世界金融危機を経て、2011年の東日本大震災後の復興支援ボランティアに従事するうち、今の金融システムがいかに実体経済からかけ離れているか、そしてそれがいかに搾取的で、地球や人々に無理を強いているかを痛感し、通貨発行の仕組みから根本的に変えるため、政治団体を設立。
その仕組みを多くの人に伝えるため、この「私が総理大臣ならこうする 日本と世界の新世紀ビジョン」という本を書くに至ったそうです。
日本の現状、お金の本質、国家のあるべき姿、具体的な戦略、政策まで、書かれており、未来の明るい世界をイメージさせてくれる本です。日本国民は絶対に読むべき一冊です。
以下この本を参考に考えまとめた「国の借金」と「お金の流れ」の部分について書いていきます。
国の借金について①
みなさんはこんなニュースを聞いたことがあるでしょうか。
「国の借金が1087兆円、国民一人あたりに換算して859万円の借金がある」
と。日本経済新聞にはそのように書かれています。
>国の借金、1087兆円に増加 3月末、国民1人当たり859万円 |日本経済新聞
この1087兆円という借金は、国債や借入金、政府短期証券を合わせたもので、そのほとんどが国債を占めています。
「国債」:国家が発行する債券。借用証書。国家が資金を調達するために発行し、この購入者が資金の貸し出し主に当たる。「借入金」:国会の手続きなして、金融機関などから、政府が資金調達したもの。
「政府短期証券」:一時的な資金不足を補うために発行される短期の国際
国債は、国が発行する債券であり、国はこの債券の「購入者」に対して借金をしていることになります。
次に示すグラフは、国が発行する国債の保有者の内訳です(平成30年9月末)。
上のグラフを見てわかる通り、国債の保有者は、日本銀行が43.0%と一番多く、その他銀行等は17.3%となっており、国債の海外保有率は11.6%になっています。
日本銀行、その他銀行等は民間企業であり、国民から預かったお金を運用したりして、国が発行した国債を買っています。
つまり、
「国の借金が1087兆円、国民一人あたりに換算して859万円の借金がある」
でいう「国」というのは「政府」のことであり、「政府」と「民間」を合わせた「国」という意味ではありません。
日本という「国」が海外に対して借金をしていると捉えてしまいがちですが、実際は、ほとんどの借金は「政府」が「民間」に対して、している借金のことであり、「国」としての借金ではありません。
「なぜ、政府は「政府」の借金を、あたかも「国」の借金であるように国民に思わせたいのか。」
この疑問についても後々考えていきます。
1000兆円を超えるほとんどの借金は、「国」ではなく「政府」が「民間」に対してしている借金であることがわかりました。
では次に「政府」と「民間」を含めた「国」という単位での借金について考えていきます。
国の借金について②
「政府」と「民間」を合わせた「国」という単位での借金を考えるにあたって、「対外純資産」について調べます。
対外純資産:海外に投資、貸している金額から、投資されている、借りている金額を差し引いたもの。投資:政府債券や社債、株式、土地などの資産を現地通貨で保有すること
以下が、2017年度の主要国の対外純資産についてです。
この純資産のデータを見ると、日本が「328兆4,470億円」と世界トップであることがわかります。また、アメリカは「ー 885兆7919億円」と大赤字になっています。
政府が発行する国債の海外保有率は約1091兆円の11.6%でこれを考慮したとしても、日本という「国」は借金どころか、普通に黒字で儲かっており、お金持ちの国であることがわかります。
次に、どうして日本がこんなにもお金もちなのかについて書いていきます。
なぜ日本はお金もち?
日本がお金もちの理由は、過去の貿易で黒字を稼ぎ続けてきたからです。自分達が生産するよりもはるかに多くの額を生産し輸出してきたからです。
以下のグラフは、日本の貿易収支の推移です。
>引用:日本の貿易収支・貿易輸出入額の推移|世界経済のネタ帳
1950年からのデータは以下の財務省のホームページに乗っています。
これらをみてわかる通り、日本は海外との貿易に置いて、圧倒的な黒字であり、「政府」、「国民」の両方を含んだ日本という「国」単位で考えると、日本は相当お金持ちの国です。
日本は相当お金もちの国であり、自国の消費以上に「物やサービス」を生み出しているのにもかかわらず、
なぜ、政府は膨大な借金を抱え国の経営が苦しいのか。
国民はたくさん働かないと生活が苦しいのか。
これを考えるに当たって、
日本の「お金の仕組み」はどのようになっているのか。
貿易によって得られた「利益」は誰がどのように運用しているのか。
について考えていきます。「貿易によって得られた「利益」は誰がどのように運用しているのか」については、今後、また別の記事で考えていきます。
なぜ政府が膨大な借金を抱えているのか。
政府、国民を含む「日本という国」はお金持ちであるにもかかわらず、なぜ、「政府」は1000兆円を超える膨大な借金を抱えているのか。
これを考える上で、日本のお金の流れを知る必要があると思います。まずは、「通貨発行の仕組み」について考えていきます。
通貨発行の仕組み
現代のお金は「信用創造」という仕組みで発行されています。
この「信用創造」という通貨発行の仕組みについて説明していきます。
以下が「信用創造」という仕組みに関する図です。
上の図は預金準備率が10%の場合についてです。
信用創造:銀行が貸し出しを繰り返すことによって、銀行全体として、最初に受け入れた預金金額の何倍もの預金通貨を作り出すこと。
準備預金制度:各金融機関が預金者から預かっているお金の一定割合を、日本銀行に預けることを義務付ける制度。銀行など民間金融機関の資金繰りが悪化した場合、日銀当座預金に預けてある準備預金の一部を取り崩して、民間金融機関の支払いが滞るのを回避するために設けられている。
預金準備率:日本銀行に準備預金として預ける金額の預金残高に対する割合。
まず、「Aさん」が銀行に100万円を預けたとします(①)。
すると預金を受けた銀行はその一部を日本銀行に預けること義務ずけられています(②)。
この時点では、まだ、預金の総量は100万円で、日本銀行に10万円、金融機関Aに90万円あります(②)。
そして、「金融機関A」が持つ残りの90万円は誰かに貸し出すことができるので、それをBさんに貸し付けます(③)。
そして、Bさんはそのお金をCさんの支払いに当てるため、Cさんの口座に振り込みます(④)。
この時点で、Aさんの預金金額は100万円、Cさんの預金金額は90万円で、預金の総量が190万円に増えています。
同時にBさんは、お金が増えた分の借金をもつことになります。
このようにして通貨が増えていきます。
この「信用創造」という仕組みは、このように、お金を貸し出すことによって、通貨が増え、増えた通貨と同じ金額の借金が生まれていきます。
そして、貸し付けた金額には金利がつきます。銀行はその金利を利益とします。
このようにお金は誰かが借金をすることによって生み出され、「国」単位で考えた場合、上記の「Bさん」が「政府」にあたります。
「政府」は③の取引で「国債」を売るので、「金融機関A」は国債を受け取ることになります。
そして、銀行の銀行である「日本銀行」は、一般銀行の持つ国債等を買い上げる、もしくは、国債を担保にお金を貸し出すことによって、
無からお金を作り出し、
一般銀行に資金を提供していきます(上図⑤)。
日本銀行は国債の利息、一般銀行にお金を貸し出した際の利息を利益とします。
国が国債を発行し、それが日銀に買われる、国債を担保に貸し出した時点でお金が新たに市場に創出されます。
>日本銀行が国債の引受けを行わないのはなぜですか?|日本銀行
通貨発行の仕組みから見えてくること
上記の通貨発行の仕組みから、市場に出回る通貨の総量は、日銀が国債の買い込みor国債を担保に紙幣を貸し出しすることによって創出されることがわかりました。
通貨の発行は、国債すなわち、政府の借金ありきで発行されることがわかります。
そして、借金には利息がつきます。
なので、借りたお金以上に返さないといけません。
政府は国を運営するために、国債を発行し、利息を支払うためにまた国債を発行し、
そういった仕組みの中で、政府の借金がどんどん膨れ上がっていっているのだと思います。
そして、集められた利息は銀行の利益になり、その利益は株主にも流れていきます。
次に、その利益がどこへ流れているのかについて考えるために、銀行の株主について考えていきます。
銀行の株主について
日本の銀行の株主の所有者別状況についていくつか紹介していきます。
日本銀行
日本銀行の資本金は1億円であり、その55%が政府、45%が民間からの出資となっています。
日本銀行は株式会社ではないので株券の代わりに、出資証券というものが発行されており、それは、東京証券取引所が運営するJASDAQ(ジャスダック)市場への上場銘柄として売買されています。
三井住友フィナンシャルグループ
外国法人が「43.28%」と断突で、ついで金融機関が「29.13%」となっています。
株式会社りそなホールディングス
外国人がトップで「39.84%」、ついで「金融機関」が35.48%となっています。
みずほフィナンシャルグループ
みずほフィフィナンシャルグループは、個人その他が「30.25%」、金融機関が「28.15%」、そして、外国法人等が「23.62%」となっています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
外国法人等がトップで「37.2%」、ついで金融機関が「31.80%」となっています。
銀行の株主状況から考えるお金の流れ
上記にいくつか銀行の株主に関する情報について紹介してきました。
日本銀行の株主も55%は政府で、残りの45%はよくわからない民間からの出資です。
また、どの金融機関の株主も、「外国法人」、「金融機関」の割合が圧倒的に多いことが読み取れます。
なので、その利益の大半は、個人投資家や、外国法人の利益になっているのではないかと考えられます。
すなわち、日本政府は、民間から借金をし(実質的には民間銀行)国を運営しています。
そして、その借金を国民の税金から返そうとしているので、力関係としては以下のような構図になっているのではないでしょうか。
銀行株主が強く、その下に政府。その下に一般国民。
国民が生み出した価値を税金として日本政府が吸い上げ、それを金融機関に返済していく。吸い上げた税金が、一部の大企業の減税にも使われていたりと、金持ちにはお金が集まり、お金のない一般の人からはお金が減って生き、貧富の差が広がる構図が見えてこないでしょうか?
まとめ
日本の「政府の借金」、「国の借金」、そして、「お金の流れ」について考えてきました。
じゃあ、貿易であげた利益はどうなってるの?とか、なんで、「政府」は国民に対して日本という「国」が借金をしていると思わせたいのか、その他諸々たくさんの疑問が湧いてくるので、今後も考えて行こうかと思います。
今後考える疑問集
- なぜ、政府は「政府」の借金を、あたかも「国」の借金であるように国民に思わせたいのか。
- 貿易により生み出した黒字は誰がどのように運用しているのか
- 銀行の大株主の「日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社」、「日本マスタートラスト信託銀行株式会社」ってなんなんだろう
- そもそも、どのようにしてこのお金の仕組みが出来上がったのか。なぜこの仕組みなのか。
参考文献
※この記事は上記本を参考にした上で、自分で調査しまとめたとがみんの現状の考えです。この記事に関して、何か違った意見、データ等あればご指摘いただけると嬉しいです。
また、この本には、日本の現状、お金の本質、国家のあるべき姿、具体的な戦略まで、たくさんのことが書かれており、未来の明るい世界をイメージさせてくれる本です。
是非読んでください!!